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[Xen-japanese] PCIパススルーを行うための手順



現在のXenではPCIデバイスのPCIパススルーが行えるようになっています。
(IOMMU(I/O Memory Management Unit)内蔵のチップセットが搭載されている
 マシンを使用することが条件)

PCIパススルーとはゲスト・ドメインが直接PCIデバイスを操作することです。

エミュレーション方式に代えて、PCIパススルーを使用することで、仮想化されて
いないOSからPCIデバイスを操作するのとほとんど代わりない性能を得ることが
できます。
現在、様々なPCIデバイスをPCIパススルーによって操作できます。
しかし、PCIパススルーで動かないPCIデバイスも存在していると考えています。

ですので、問題が発生した方がいましたらご報告をお願いします。
なるべくご対応させていただきたいと思います。

以下にPCIパススルーを行うための手順を示します。


[PCIパススルーを行うためのXen Unstable版の構築手順]
 1.Xen Unstableをネットワーク経由で取得。

  # hg clone http://xenbits.xensource.com/xen-unstable.hg
  # cd xen-unstable.hg

 2.pcibackドライバをビルトインする。

  # make linux-2.6-xen-config CONFIGMODE=menuconfig

   ----------設定----------
   Xen --->
     <*> PCI-device backend driver
   ----------設定----------

 3.Xenをビルドする。

  # make

 4.Xenをインストールする。

  # make install

 5.modules.depの作成

  # depmod -F /boot/System.map-2.6.18.8-xen 2.6.18.8-xen

 6.イニシャルRAMディスクの作成

  # mkinitrd -f /boot/initrd-2.6.18.8-xen.img 2.6.18.8-xen

 7.ゲスト・ドメインに割り当てるPCIデバイスのBDF(Bus No. Device No.
   Function No.)を確認する。
   (今回はIDEカードとNICを割り当てることとして話を進める。)

  # lspci

   00:19.0 Ethernet controller: Intel Corporation 82566DM-2
           Gigabit Network Connection (rev 02)
   ...
   01:01.0 Mass storage controller: Integrated Technology Express, Inc.
           IT/ITE8212 Dual channel ATA RAID controller (rev 13)
   ...

 8.ブート・ローダの"reassigndev"パラメータでゲスト・ドメインに割り当てる
   PCIデバイスのリソースの再割当を行う。
   また、"pciback.hide"パラメータでゲスト・ドメインに割り当てるPCIデバイス
   をpcibackドライバでバインドする。

  # vi /boot/grub/grub.conf

   ----------編集----------
   title Xen-3.4-Unstable (2.6.18.8-xen)
         root (hd0,0)
         kernel /boot/xen-3.4-unstable.gz iommu
         module /boot/vmlinuz-2.6.18.8-xen ro root=LABEL=/ 
                reassigndev=0000:00:19.0,0000:01:01.0 
                pciback.hide=(0000:00:19.0)(0000:01:01.0)
         module /boot/initrd-2.6.18.8-xen.img
   ----------編集----------

 9.Xen Unstable版を起動する。

  # reboot


[割当手順]
 1.ゲスト・ドメインに割り当てるPCIデバイスのBDFをゲストの設定ファイルに
   記載する。

  # vi /etc/xen/GUEST.hvm

   pci = [ '00:19.0','01:01.0' ]

 2.ゲスト・ドメインを起動する。

  # xm create /etc/xen/GUEST.hvm

 3.割り当てたPCIデバイスをゲスト・ドメインから使用できるかを確認する。
   (ゲスト・ドメインとしてLinuxを使用したときの確認方法)

  # lspci

   00:10.0 Ethernet controller: Intel Corporation 82566DM-2
           Gigabit Network Connection (rev 02)
   ...
   01:09.0 Mass storage controller: Integrated Technology Express, Inc.
           IT/ITE8212 Dual channel ATA RAID controller (rev 13)
   ...


[補足]
 BDFを使用したPCIデバイスの指定方法ではブート時に番号が変更されてしまう
 恐れがあります。
 しかし、デバイス・パスと呼ばれるパラメータを用いてPCIデバイスを指定する
 と、そのデバイス・パスは変更されることなく、永続的なパラメータとして
 ゲスト・ドメインに割り当てるPCIデバイスを指定することができます。
 デバイス・パスの書式は以下のようになっています。

  <hid>[:<uid>]-<dev>.<func>[-<dev>.<func>[...]]

  例) PNP0A03:100-1c.1-00.0

 このデバイス・パスを用いて、ゲスト・ドメインに割り当てる予定のPCIデバイス
 を指定する"guestdev"というブート・パラメータをdom0 Linuxに追加するパッチ
 がXen Unstableに投稿されています。(現在、未採用)

  例) reassign_resources guestdev=PNP0A03:100-1c.1-00.0,PNP0A03:100-1d.7

  (参照)http://lists.xensource.com/archives/html/xen-devel/2008-12/msg01093.html

 BDFからデバイス・パスに変換することができるスクリプト(device_path.py)も
 投稿されています。

  (参照)http://lists.xensource.com/archives/html/xen-devel/2008-12/msg01116.html

 このスクリプトは以下のように使用できます。

  # chmod 755 device_path.py
  # device_path.py 07:00.0

   PNP0A03:100-1c.1-00.0


ご質問等ありましたらお気軽にどうぞ。
それでは、よろしくお願いします。
--
NECシステムテクノロジー 島田雄二


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